JAZZ&ROCK喫茶


 


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大音量のジャズ喫茶やロック喫茶は当時異様な感じがしました

 

70年代はジャズやロックを専門に聞かせてくれる喫茶やスナック形式のお店が数多くありました。ヒッピー系の人がいたりして一般の方はちょっと入りにくかったと思います。店内は本が読めないほどではありませんでしたが、普通の喫茶店などよりかなり暗く異様な感じもしたのです。この時代はクラッシック音楽を聞かせてくれる名曲喫茶もありました。

実は私はロックを中心に聴かせてくれるお店でいろいろハマりました。家では持っているレコードも限られ、どうしても好みの曲ばかり聞いてしまいますが、ロック喫茶では数多くのグループや曲にめぐり合えたのです。そしてそこには素晴らしい音響設備がありました。

残念ながらもうなくなっているお店がほとんどです。

初めてこの手のお店に入ったのは東京の高円寺にあるロック喫茶JINJINです。JINJINはもうなくなっていますが、どうしてもこのお店から紹介したいと思います。

 

JINJIN 高円寺【東京】 JBL PROモデル(型番不明)

JR高円寺駅の北口から歩いて2、3分ぐらいのところにJINJINはありました。お店自体は2階にあり、防音してあっても音は外の道路まで聞こえました。慣れないうちはこのお店に2、3時間居ただけでも家に帰って耳鳴りがしたのです。

初めて入った時にはさすがに明かりの暗さと大音量に驚きました。兄に連れられたのですが初めての場合、一人ではまず入れないと思います。

JINJINで聴いた音はいくつかアルバムを通じて下に感想を説明します。
LIVE CREAM VOLUME IIの2曲目、WHITE ROOMでは最初のヴォーカル(ハーモニー)が大音量で店中を包み込み、ドラムのバスタムのアタック感が強い音というかエネルギーが直接頭にぶつかってくるように聞こえました。

LIVE CREAMのようにERIC CLAPTONがGIBSONを使っていたころのLIVEアルバムを持っている人はもう一度聞いて欲しい。ギターはかなり太い音なのです、JINJINでは中低域に芯のある音で鳴りつつ、しかもギターの12フレットあたりのオイシイ音域は選挙カーの拡声器のように文句なしに飛び出すようなド迫力で店をつつんでいたのです。ちょっと想像してください、、、

一般家庭のステレオではとうてい実現しない音作りなのです。JBL PRO仕様ではこの傾向の音が出るのは分かっているのですがJINJINで使っていたモデルについての詳細は分かっていません、どなたかご存知でしょうか。

お店には落書きというか寄せ書き用の大学ノートが置いてあって、見知らぬ人のメッセージを見るのが楽しみでした。当時コーヒーや紅茶はたしか180円でその後値上がりして230円になったと思います。

 

JINJINはどんなサウンドだったか

CAPTAIN BEYOND(キャプテンビヨンド)

JINJINでCAPTAIN BEYONDというグループを知りました。このアルバムは5拍子や7拍子といった部分があって本来ノリにくいはずなのですが、どっこいそうでもないところが評価できるのです。どエライ音でかかっていたので強烈なイメージが残り、すぐにレコードを入手しました。大音量で聴くと爽快なバンドです。特にヴォーカルがリードしていくところとギターのフレーズがカッコいいのです。

MYOPIC VOID
日本語のタイトルは近視空間というらしいのですが、曲を聞けば分かるような気がします。アコースティックギターが2小節ごとにコードをジャランとシンプルに弾く部分があります。

JINJINではこの音がツヤのある、芯の強い音で前面に『ジャラン』と出てくるのです。シンプルかつプログレっぽいこの部分の作りは70年代の曲らしいなつかしさを感じる部分です。

アコースティックギターの音は当然店内のスピーカーから発散されているのですが、この音は光っていると表現したくなるような生々しい音で聴くことができました。

MESMERIZATION ECLIPSE
すさまじいLES PAULのリードと、 7拍子でノリノリのこの曲は一体何なんだ!と思いました。JINJINの大音量の中でこの曲はあまりにも刺激の強いものでした。アルバム全般にいえますがGIBSONのギターがとってもいい音しています。

 

LED ZEPPELIN 1st

YOUR TIME IS GONNA COME〜BLACK MOUNTAIN SIDE
LPではLED ZEPPELIN 1stのB面にあたりますがCAPTAIN BEYOND同様の芯のあるアコースティックギターのサウンドが聞けました。ジミーペイジの指使いが実は結構荒かったのがはっきり分かりました。

YOUR TIME IS GONNA COMEも聴くたびに70年代にワープしてしまうとっても哀愁のある曲だと思います。こうなると出来ればアナログレコードでワクワクしながら針を落として聴きたいものです。

JBL 2120(オーディオ編参照)では、ほぼJINJINに近いテイストの音が普通の家庭で味わえるので嬉しいです。

GOOD TIMES BAD TIMES
曲の頭の部分、ギターとドラムの音がいきなりど迫力でガツンと来る。その後の厚いサウンドが70年代のピッピーな気分を盛り上げてくれる曲だったのです。JINJINではこの曲をジーンズにロンドンブーツ、当時の長髪姿で聞くのが正統派だったのです(なんのこっちゃ)。

ちなみにロンドンブーツは疲れます。 そこへもってピチピチのジーンズも疲れを助長させたのでした。正直な意見として、そういった体に無理のかかる服装は長続きしないだろうなぁ、、と当時から思っていました。CDではまだこのアルバムを聴いていませんがはたしてこのような音が出てくれるのだろうか?

 

THE ALLMAN BROTHERS BAND:AT FILLMORE EAST

HOT'LANTA
この曲はインストルメンタルであり、ギターばかりを聴いてしまいがちです。ところがJINJINのオーディオ環境ではドラムがダン・ダン・ダンとあまりにも迫力ある音で聞けたためついドラムワークのすごさに酔ってしまったのです。

スネアのアタック音が怖いくらいの迫力というのでしょうか、目の前でたたいているような音にど肝を抜かれてしまいました。

デュアンオールマンとデッキーベッツのアドリブの掛け合いもすごいのですが、この曲はドラムが主役と自分では決めつけています。

JINJINでこの曲を聴いてから自分が使うスピーカーは生涯JBLしかないと人生に目標を持たせてくれました。JBLのスピーカーらしい音を聞きたいとき、市販の機器がROCKやJAZZではどうか?を判断するにはこの曲でも評価しています。

そしてこのアルバムはすべての曲が素晴らしく1日中聴いていても飽きません。
I woke up this morning .... I had them Statesboro bluesとこれは頭の中で歌いながら聴くのもいいと思います。

演奏のうまさには脱帽で、デュアンオールマンのギターが宙に舞うように聞けるアルバムでもありますが、アナログレコードの音が良すぎて実はCDではまだ聴いていません。
YOU DON'T LOVE MEのギターソロ後半ではディッキーベッツのツヤのあるレスポールの音が味わえるのも嬉しいです。二人とも弾き方のクセが似ていてどっちなんだろう?と思う部分もあります。

話しは変わりますが知人がこの時期アメリカに在住しており、リアルタイムでTHE ALLMAN BROTHERS BAND を見たそうです。

コンサートは想像を絶するすごさで地元のFM局が生放送で中継していたのですが、あまりの熱狂ぶりに放送スタッフまでが演奏と観衆の熱さに感動してしまい以降の番組をすべて中止し、そのままライブ放送を延々と続けたそうです。やりますね!!コマーシャルもすべてすっとばしたそうです。日本ではありえませんが、それほどすごかったのです。

この貴重な体験を語る知人を見ているだけでも、その熱弁ぶりにこちらも興奮してくるのですが、こういった人生体験を聞くだけでも本当に楽しいと思います。

 

 

KEYBOARD 高円寺【東京】 JBL PROモデル(型番不明)
マッチを2つ重ねるとヒゲのマスターの顔になったのですが紛失してしまいました(残念)。

当時ヒゲのマスターとはいつのまにか仲良くなりました。そしてお店で働いていた人たちはお元気でしょうか。

KEYBOARDはJINJINと同じ高円寺にありJRの南側、阿佐ヶ谷方面に歩いても7、8分程度の距離でした。自分としてはJINJINの姉妹店のような感覚で、気分にあわせていったり来たりしていました。

ここはJINJINのように2階ではなくJRガード下の道路にほぼ面していました。音つくりはJINJINとほぼ同じでした、ということは入り口の扉を開ければ歩いている人が大音量にびっくりするはずなのですが、そういったことはあまり記憶にはありません。

ここもやはり最初に一人で入るのは勇気がいると思います。

今考えればお店はそれほど広くなかったような気がします。それになんと隣のお店はJAZZ喫茶だったのです。

KEYBOARDはどんなサウンドだったか

WISHBONE ASH:LIVE DATES

録音がスタジオライブという評判でしたが、なかなか広がりのあるいい音で入っていました。このバンドの聴きどころは何と言ってもツインリードギターの美しいハモりとヴォーカルのハーモニーでしょう。初めて聴く人でも病みつきになると思います。

THE KING WILL COME
KEYBOARDで聞くとTHE KING WILL COMEのハーモニーがお店中に広がり、本当に心地よくBritish Rockを聴くことができました。アンディパウエルのフライングVが独特の甘い音で、当時このような音はどうやって出すのだろうか不思議でした。これはイギリス製のオレンジというギターアンプ(TUBE AMP)の味付けによるものが大きいと思います。

ROCK'N ROLL WIDOW
アナログディレイもうまくセッティングされていたのでセンスの良さを感じさせました。

KEYBOARDではROCK'N ROLL WIDOWのベースギターがGIBSON(サンダーバードモデル)独特の音で、本当にウマい指の運びであることも気づかせてくれました。GIBSONのベースってパンチのある音でズンズン来るのですね。

 

URIAH HEEP LIVE(ユーライアヒープ LIVE)

SUNRISE
やはり一発目のSUNRISEでしょう。本当に演奏がウマい。曲の途中でブレイクするところがピタっと止まり、一瞬シーンとするメリハリがすごいのです。 コーラスも独特でバンドを組んでいる人はぜひ参考にして欲しい。

KEYBOARDではユーライアヒープが演奏前におこなうちょっとした音出しまでエラくカッコよくリアルに店内に響いたのです。SUNRISEの演奏の最初、ドラムのスタタタ、、ンという強烈なアタック音はJBL PRO仕様のスピーカーやALTEC A7等以外に再生は不可能と思うのですが、それを存分に味わせてくれました。

とにかく演奏のうまさといい、音の良さといいLPレコードのA面はあっという間にEASY LIVIN'まで全力疾走でした。EASY LIVIN'のようなハーモニーをするバンドが日本にあってもいいと思います。

かつて武道館でハリマオというバンドを見たことがありますが、なんとなくそんなテイストでした。そういえばギターの神様、成毛滋さんもユーライアヒープにハマってましたね。

 

789 新高円寺【東京】 サンスイSP-2115(JBL PRO仕様ユニット)


SP-2115


楕円形のテーブルが一つ、店内の中央にあり、10人も入れば満席になりました。知らない客といつの間にか会話をしてしまうヒッピーな世界がありました。ただお店の雰囲気はヒッピーではなく、都会的な雰囲気がありました。

1975年あたりのこの時代になると洗練されたバンドが少しずつ出てきて、さらにCAROLのような革ジャンにリーゼントの人たちも成熟していました。ヒッピー系も容姿を変えつつあり、時代が少しずつ変貌していった頃です。

789に集まるメンバーはバリバリのBritishよりもWest Coast系、そろそろ芽をだしてきたフュージョン系を好んでいたように記憶しています。それと四人囃子の同級生であるカメラマンやその仲間達がよく来ていたので国内の音楽シーンについてもよく話し合いました。お店の情報としては店内で撮った写真がありました(左の写真)。皆さんお元気でしょうか。

ここの客と店員はいつもベタベタの金沢弁でそれがいっそう集まった人たちを和ませてくれるのでした。金沢にも同じような楕円形テーブルのお店がありました。


【訃報】このお店の看板男、タメは2007年9月5日永眠されました。

金沢におけるタメの追悼ライブ

 

789はどんなサウンドだったか

この店は住宅地にあり、近所のことも考慮しあまり音量を上げることはできませんでした。とはいえ置いてあるシステムはSP-2115を中心としたものなので満足のいくものでした。ちょうどよいさわやかな音量で小気味よいサウンドを楽しむことができました。他のロック喫茶とは異なり、お店で会話をしながら音楽を聴くことができました。

THE CRUSADERS:SCRATCH

HARD TIMES
KEYBOARDSやSAXOPHONEがライブらしく本当にいい音で聴くことができました。普段ロックを聴いている人でもTHE CRUSADERSを聴けばすんなりとこの世界に溶け込んでいくことが出来ると思います。

SO FAR AWAY
この曲をよく聴いてた頃はTHE CRUSADERSの中毒になっていました。789ではこの曲のスタジオ版をよくリクエストしました。

SO FAR AWAYは本当にいつまでも延々と聴いていたいような曲です。スタジオ版では曲の最後に少しずつフェードアウトしていくのですがこの流れがなんとも言えず『演奏をやめないで欲しい、、、』といつまでもこの曲を追いかけ余韻に浸りたい気持ちにさせたのです。そういえばPINK FLOYDのECHOESもそんなところがありますよね。

SCRATCHはレコーディング状態が好きで、789のようなお店でJBLのシステムが置いてあれば本当に臨場感のあるライブが楽しめました。


PUT IT WHERE YOU WANT IT(SCRATCHには収録されていません)
ベースの小気味よいフレーズが締まりある音で躍動して聞けました。JBLの2115というスピーカーは高価でもあったのですが、このお店で十分に聴き入ってこれなら将来手が出そうだという意気込みを感じたのでした。

四人囃子

CDで入手しました。日本のROCK界を代表するスーパーバンドでした、今でも根強いファンがいたり公式サイトまでも運営されているようです。メンバーの方は直接面識はありませんが先輩の音楽仲間であったり、高円寺界隈の仲間うちであったり、けっこう身近に感じることの多い人達でした。
そんなこともあってお店でよく四人囃子を聴きました。そしてこのサウンドにも病みつきになりました。

たしか渋谷パルコでの演奏の後、アンコールでBEATLESのP.S. I LOVE YOUをやったのですが、この演奏は最高によかったのを記憶しています。

余談ですが、メンバーの某氏が高円寺商店街でストリーキングをしたと当時もっぱらのウワサでしたがこれは本当でしょうか。

 

STEELY DAN(スティーリー・ダン)
JBLらしい音は都会的な小気味よいサウンドにもぴったりで、STEELY DAN の躍動感あるサウンドが印象的でした。ここではJAZZ系やBoz Scaggs(ボズスキャッグス)などの音楽も心地よく聞くとことができました。SP-2115はフルレンジスピーカー1発の装着でツイーターはないのですが、789はライブ(音が反響する)なお店だったのでバランスよく聞けました。このお店の場合、LE-8Tも似合ったと思います。

2115とLE-8Tの違いはオーディオ編のところでも少し触れます。やはりJBLのユニットを内蔵したスピーカー(箱はサンスイ製)はこの手の規模のお店には大正解でした。

 

壹時館 高円寺【東京】 サンスイSP-2120(JBL PRO仕様ユニット)
JBL 2120


この難しい漢字を使った呼び名は『いちじかん』と呼びます。ホームページを作成したときに『壹』という字が分からなかったのですがホームページを見ていただいた方から下の切り抜き資料を送っていただきました。本当にありがとうございました。やはり当時通っていた方がいらっしゃったのですね。

この店はスナックほどの小さな店であまり知られていなかったのですがJBLのプロ用スピーカー(SP-2120)が置いてあり、おおっ〜と思いました。予想とおりかなり迫力がありました。当時KEYBOARDでバイトをしていたK子ちゃんに連れられて入りました。

このお店では国内で活躍するJAZZドラマーやシンセサイザー奏者のアルバムも聴かせてくれました。今で言うインディーズの走りでしょうか。

2120は25センチフルレンジ、2115は20センチフルレンジで、両者の音の傾向は似ているとはいえテイストはそこそこ違うなぁと思いました。

本当にコアな人は音に広がりがあって、人の声やギターなどが前面に飛び出すように再生される2120をお薦めいたします。とはいえ、今は中古を探すのも大変かと思います。楽器用として存在しているのですがひょっとしてE110あたりが設計を受け継いでいるので狙い目かもしれません。オーディオとして使えるのかなぁ。

壹時館はどんなサウンドだったか

THE ALLMAN BROTHERS BAND:EAT A PEACH

ONE WAY OUT
1曲目はギターソロのようなイントロの後、ドラムが入ってくるのですがその入り方がダン・ダン・ダンと迫ってくるのがよかった。普通のスピーカーではこのような音にはならないので私が現在 2120を所有しているのは、ここでもすごい!と思ったからなのです。

JINJINのシステムは絶対手が出せる価格帯のものではないと思ったので、いよいよ2120に目を付け出したころです。

 

EAT A PEACHAT FILLMORE EASTと同じ日のコンサート模様を分けてアルバムにしたようなところが結構あります。録音状態もほとんど同じですのでたぶんそうでしょう。

JOE WALSH LIVE

この人のアルバムも70年代の典型的なロックですので熱かった時代を思い出してください。なかなか録音状態もよく気分をハイにしてくれました。普通に聴いていれば気にも留めなかったかもしれませんが、この店のオーディオシステムで聴いたことにより演奏のエネルギーのようなものを発掘することが出来ました。

 

赤毛とソバカス 吉祥寺【東京】 ALTEC A7

ALTEC A7


 


たしかスピーカーとスピーカーの間にはおじぞうさんが立っていた記憶があります。

ALTEC A7はJBLと違って別の次元ですごい!ROBIN TROWER LIVEの1曲目がかかったとき、ギターのイントロはレコード再生の枠を超え、PAをお店で鳴らしているような感じでした(左図から想像してください)。それはギターアンプをお店に持ち込んだものよりもっとすさまじい音でした。

ギターの弦の低い部分がお腹まで響いたのです、コップの水には波が立っていたかもしれません。家庭のオーディオではこのようなことはありえません。その後にドラムが入ってくるがこれもこれもステージ横のPAからドラムの音がぶつかってくるLIVEような鳴り方をしていました。

おじぞうさんもさぞかしウルさかった(失礼、気持ちよかった)と思います。

こうなるとJBLのシステム以外にALTECも欲しいなぁ、、、と真剣に考えさるほどすごかったのです。ALTECのうたい文句はVoice of The Theaterですよ、ゾクゾクしますよね。

A7はジャズでも本領を発揮すると思います。A7で管楽器が入ったスローテンポなジャズを聴いている人は毎日が生演奏のようで本当にうらやましいです。

ホームページを見ていただいた方からマッチをいただきました(左の写真)。本当にありがとうございました。この方は偶然にも閉店日に訪れ、このマッチを入手したそうです。マッチの横を見るとスピーカーがパラゴンに変わっています。聞きたかったなぁ。

赤毛とソバカスはどんなサウンドだったか

お店紹介のところで触れましたが赤毛とソバカスではこのアルバムがすごかったです。

ROBIN TROWER LIVE

TOO ROLLING STONED
当時ジミヘンの再来とも言われていましたが、正直いってそうは思いませんでした。ワウワウを踏みながらのアドリブなどはそんな雰囲気も見られますが明らかにジミヘンとは別ものです。

当時日本でもコンサートにはJBL製のフロントロードと呼ばれるA7のようなタイプのスピーカーユニットを左右に何段も積んでいたのです。

この音がよかったのです、リハーサルの段階でおお〜っ!と感激したものです。赤毛とソバカスで聴くROBIN TROWER LIVEはそれをそのままレコードに封じ込め、お店で再現したという感じがしたのです。

STRATOCASTERは粘りっこい音で、ストラトがこんな音するのかよ、と当時は思いました。

DAYDREAM
スローバラードでSTRATOCASTERの低い音がブ〜ンと振動となってお腹に響きました。スネアの裏についているスナッピー(響き線)の共振音が気になり、ステージに登ってレバーを外したいなぁ、と思わせるほどリアル感もありました。A7はそれほど音のエネルギーがすごいのです。

 

 

サブマリン 新宿御苑【東京】 ALTEC A7、MCINTOSH

ALTEC A7

 


新宿通りを丸井の方から御苑前に向かい、ロック喫茶開拓地の下を通って大きな交差点を渡る。数十メートル?ほど歩いた右側のビルに地下へ降りるための狭い入り口がありました。

ロック喫茶サブマリンはそこを降りて地下3階くらいの倉庫を改造したようなところにありました。天井隅には水道管がむき出しでそのまま這っていたような気がします。

このお店で人と会話をするのは無理。ALTEC A7と青いVUメーターのマッキントッシュが暗い店内ですさまじい音を出していたのです。翌日まで耳がキーンとするほど大音量でジミヘンライブやDEEP PURPLEがかかっていました。

地下室のコンクリ補強のようなものが長いベンチになっていたような気がします。そこに適当にすわって聞いていたと思います。場所によっては立ち上がると天井裏のコンクリに頭をぶつけてしまうのです。タバコを頼んで店員にお金を渡すと、しばらくして店員が遠くからタバコを投げる、それがごく当たり前のピッピーな世界だったのです。騒ぐ人は店員に怒られていたと思います(騒ごうにもオーディオの音の方がすごいのですが、、)。

土曜日はオールナイトもやっていましたが、この音量ですからここで一晩過ごした翌朝はさすがに最悪でした。さわやかな休日の朝にKISS LIVEのFIRE HOUSEを聴くようなもんですか。

ALTEC A7は天井に固定してあったように記憶しています。


そういえば最近聞いたのですが兄が当時人気絶頂であったガロの日高さんと時々サブに行ってたそうです。ファンの人に悟られなかったのかなぁ。

70年後半には改装し、ALTEC A7がなくなりJBLのプロモデルではないシリーズが入っていました。スピーカーは天井ではなく壁側にありました。

残念ながらこのホームページであれこれ感激しているズダーンと来る音ではなかったのです。同じJBL製でもかなりテイストが違うのです。照明も明るく、かかっていたアルバムはジョージベンソンのBREEZINなど。

世の中はハマトラなるファッションが台頭し、一気にヒッピーを追いやる都会的サウンドの波がここにも押し寄せてきました。サブマリンは私の青春の1ページだったのですがこの変貌は受け入れられませんでした。

左のマッチは30年前のものですので、ここに電話しないでください。

サブマリンはどんなサウンドだったか

JIMI HENDRIX:BAND OF GYPSYS

WHO KNOWS
BAND OF GYPSYSの録音状態は個人的には好きです。サブマリンのオーディオシステムですからジミヘンの音は想像がつくと思います。このアルバムではジミヘンのオーバードライブ的な音が決して窮屈ではなく不思議にもゆったりとした音になって聴くことができました。

とはいえこの大音量ですから気持ちいいくらい体に『浴びた』のです。そうなんです、聴くというより浴びたという言い方の方が適切なのです。

ジミヘンにかぎらずこの大音量と地下室という条件なので閉所恐怖症の人はすみやかにご退出することをお勧めします(と言ってもお店はなくなっていますが、、、)。これは冗談ではなく本当なのです。

WHO KNOWSではドラムの入りもカッコイイのですが、そのあとのベースがシンプルでありながら心地よく体に響き続くのです。これは少人数編成のバンドをALTEC A7のような機材で聴く醍醐味でしょう。

 

FREE: HEARTBREAKER

WISHING WELL
1970年頃、友人(イギリス人)がLONDON近くの学校で学園祭にFREEが出演した際、ものすごい演奏で盛り上がったんだよ!という体験話しをしたのを思い出します。サブマリンではポールロジャースの熱いハートがPAから訴えるように堂々と鳴り響いていました。ポールコゾフの泣きのギターフレーズもジーンと心に響きました。その学園祭とやらを見た人がうらやましく、彼らはこの熱いサウンドを間近で見たのかよ、と思いました。

WISHING WELLは落ち込んだ時にも励ましてくれるので大好きな曲です。日本で聴くのもいいけど、レンガ作りの家が並ぶ古いイギリスの街並みを見ながら聴くと一段と心に響くと思います。

 

WISHING WELL

 
音楽データがありました。 大部分の方はこの曲を好きになると思うのですが、、、病みつきになってください。

映像は全く関係なく単なるイメージ挿入と考えてください。この曲が、おなかいっぱい大音量でかかっていたのですよ!

ポールロジャースの奥様が富山の方らしく、里帰りの時に街で見かけたよという人の話を聞きました(ここ数年以内らしいです)。年をとってもえらくカッコよかったとのことです。

 

RAINBOW 新宿【東京】 オーディオシステム(不明)


たしか新宿駅から歌舞伎町に行く途中だったと思います。当時はもちろんJRではなく国鉄新宿駅ですよ(なつかしい響きですね)。

RAINBOWは一度しか行っていませんのであまり記憶がありません。

使用された機材まではチェックできていません。この店ではそれほど音は大きくなく、どちらかというとあまり凝ったところまで聞かせてくれるお店ではなかったような記憶があります。もし間違っていたらごめんなさい。

それくらい音楽を再生するシステムというのは印象的にも重要だという教訓を学びとりました。

 

 

ROLLING STONE 新宿【東京】 オーディオシステム(不明)

当時のコースター


新宿伊勢丹の裏あたりにもいくつか音楽を聞かせてくれるお店がありました。ビートルズ専門のお店がありましたが実は当時、行きたくてもそこまで行くとついサブマリンに行ってしまうのでした。

サブがあまりにも音が大きいので、ちょっとはしゃべりたい時はROLLING STONEが手ごろのお店でした。

そんな訳でROLLING STONEは音楽を聞きに出向いても、回りのお客さんがザワザワとしゃべっている日もありました。せっかくの気分が台無しになることもありました(我々もそうだったかもしれません)。

それはそれで当時はROCK居酒屋という何か新しいカテゴリーのような、そんな感じもしました。

ここはなんと今も営業しているのですが、私が最後に行ったのは76年頃です。これからも本当にがんばって欲しいと思います。

 




ふぅ〜、とりあえず一服します。

都会の中には今で言う男の隠れ家ですか、JAZZ喫茶やROCK喫茶はそんな安堵できる場所だったのです(音はさすがにすごいのですが)。学生運動が下火になり、ベトナム戦争が泥沼化〜終結していったそんな時代でした。放課後には学校の近くの雀荘が学生で賑わっていました。私はやりませんでしたが、、

南こうせつさんの『神田川』がぴったりあてはまるような時代でもありました。テレビでは大橋巨泉のクイズダービーやドリフの全員集合、堺正章の時間ですよなどが流れていました。

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