楽器編


 

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楽器を理解することで音楽の味わい方も変わる

 

ここでは電気楽器(エレクトリックギターなど)を中心に紹介していきます。

昭和40年代にはエレキギターと呼ばれていた頃の音作りも今聞くと結構いい音している製品があります。個人的にはあまり味付けをせず、本来の持ち味を生かした音の出し方が好きです。

 


GIBSONのギター

 

GIBSONの特長

GIBSONのギターはJAZZギターのようなコシのある音、甘い音、ねばりのある音、太い音、歪みのある音、、、というふうに何となく分かっている人も多いかと思います。

なかなか文字では伝わりにくいですね、代表的な音をいくつか聞いてみますか。

LES PAULの音 

LED ZEPPELIN II:MOBY DICK、HEARTBREAKER
MOBY DICK
HEARTBREAKERでのギターの音はLES PAULの特性に加えて70年頃のMarshall(マーシャル)の音がストレートに出ています。

LES PAULらしい音というのはこの2曲を中心としたアルバム全体を聴けばほぼどんな音か分かると思います。

LES PAULはもともとROCKなど歪みのある音を求めて設計されたものではありません、なにせ設計が1950年代ですから。ところがより広く、大勢に聴いてもらうためアンプにパワーが必要とされる時代が到来し、当時真空管方式のアンプ(TUBE AMP)も限界の設計がなされました。
こういったアンプにLES PAULのようなGIBSON系のギターをつなぐととんでもない音に変貌するのです。それは七変化しバイオリンを連想させるねばりある太い音に聞こえることもあります。

本来はクリアーな中にも、中域に張りのあるパワーを持たせ、高域から低域までバランスを取った音作りなのですが時代の流れでハイパワーなアンプと共にROCKシーンで多用されることになりました。

LES PAULはボディとネック、ネックとヘッドに角度がついています。弦はピンと張られているので弦を支える支点の両側はへの字に曲がります。

弓を引いて矢が飛び出すのと同じ原理で弦の張力は力学的にギターのボディを押さえつけることになり、ボディ全体を『鳴らし』ます。さて、そのボディがどんな風に鳴るかがポイントなのです。

ボディの鳴り方は材質・形状によってその音質が決まり、ボディとネックを接着剤で完全に一体化することで共鳴効果を高めます(セットネック方式)。当然音も伸びます。この時の複雑な振動が弦の音となり、ピックアップを通じて電気信号に変わります。
ビンテージギターはこのあたりの製造工程と諸条件が超レアで、塗装材ひとつにいたるまで音質に左右し、このことをコアな人たちは知っているので市場価格も跳ね上がります。単にデザインだけではないのです。

FENDERのギターは横から見るとこの角度がなく平坦なのでシンプルでソリッドな音になります。ブリッジ側では弦が90度に曲がっていますが、ボディを極端に鳴らさないのでセットネックの必要もなく、ネックは背面でネジ止めされています。FENDERの場合メインテナンスの上でも考慮されています。

JIMMY PAGEのピッキングは引っかくようにかなり強いのであの音になるのですが(もちろんアンプの特性やパワーも必要)、アマチュアの人がマネをしようとするとアンプやエフェクター類で無理やり歪み(ディストーションやオーバードライブ)を付けようとしあの音にはならないのです。

あの音をもう少しクセのある音にし、フィードバックがかかりやすくするにはピックアップをボディに完全固定する方法もあります。ただピックアップや、エスカッションと呼ばれるピックアップを固定する成型品などを改造しなければならず、ちょっと勇気がいります。

*フィードバックとは:ギターアンプにパワーがあるとスピーカーから出てくる音と電気的に共振して、弦の振動が減衰せず、ずっと音が出続ける現象。BECK BOGERT & APPICEのGOING DOWNでJEFF BECKのギターの音がずっと伸び続けている箇所があります(LES PAUL使用、話しかければ振り返る距離で見ました)。

ビンテージものが高価でいまだにLES PAULがRE-ISSUEまでされ、多くのミュージシャンに受け入れられているのは本当に天才的な発想と設計だと思います。ですからLES PAULの音はエフェクター類をほどほどにして工芸品として味わって欲しいのですが、やはり自由な音楽表現に制約をかけたくないという複雑な気持ちもあります。

長くなってしまったのでハムバッキングと呼ばれる方式のピックアップやGIBSON製品その他のモデルについてはまたにします。

 

 

FENDERのギター

FENDERはGIBSONと比較されることもあるのですがそんな問題ではありません。明らかに感性や嗜好のものなので両方のおいしさを味わえるようお薦めいたします。ギタリストを目指す人はGIBSON系とFENDER系の双方のタイプでいい音を出す練習をしよう。

FENDERの音の特長

シンプル、ソリッド、乾いた音、『枯れた音』と言葉ではよく表現されますが実際以下に紹介するアルバムで聴いてみよう。

STRATOCASTER(ストラトキャスター)のシンプルでソリッドな音

DEEP PURPLE:MACHINE HEAD
LAZY
このアルバムはHIGHWAY STARSMOKE ON THE WATERが有名ですが、個人的にはLAZYSPACE TRUCKIN'が好きです。特にLAZYの前半部分はストラトのいい音が聴けます。

SPACE TRUCKIN'のアドリブではやや伸びと粘りのあるストラトの音が聴けます。これはネック側のピックアップとMarshallアンプがいい音を出しています。リッチーブラックモアは中央のピックアップをすっ飛ばし、ブリッジ側とネック側を極端に切り替えて使うことが多いので大変ユニークというかリッチーらしいです。

ストラトをギャ〜ンと出そうとすると、どうしてもブリッジ側にいっちゃいますよね。個人的にはセンターピックアップの音も好きですが。

come on let's go space truckin' 、、、のところはシンプルでソリッドな音というより、怖くて迫力のあるDEEP PURPLEの音が聴けます。

この曲を真剣に聴けば聴くほど、王様の直訳ROCK『おいで〜、、宇宙のトラック野郎!』という部分が笑えちゃうのです。話しがそれましたがギターアドリブ後のドラム&ベースによるシンプルな展開もなかなかカッコイイのです、これはいいオーディオ装置で聴くとそのすごさが分かります。

 

STRATOCASTER(ストラトキャスター)の乾いた音

RORY GALLAGHER(ローリーギャラガー):LIVE IN EUROPE!
塗装が剥げ落ちてボロボロになったストラトを使うことで有名なローリーギャラガー。錆びた針金をギターに張ったような枯れた音でも有名でした。手元でボリュームを絞っても音がこもらずクリアーないい音を聴くことが出来ます。実はこの抑え気味のパワーで出てくる音がFENDERらしいソリッドで乾いた音なのです。FENDERファンはこの音にハマるのです(アルバムでは典型的なビンテージサウンドが聴けます)。フルパワーではかなり歪んでしまいますが、これは真空管アンプの自然なオーバードライブだと思います。グライコで中音を持ち上げるとこのような音になります。若さもあってちょっと走り気味のライブですが、シンプルで熱いエネルギーを感じます。ちなみに彼がギターを始めたころに使っていたギターは日本のグヤトーン製でした。かれはガイヤトーンと言っていましたが。

 

某音楽雑誌、2006年12月号の切り抜きです。

ローリー・ギャラガー氏が来日したときの写真ですがこの写真は私の兄弟のもので、元となった写真では本人は右側に座っています。

カメラマンと3人でホテルの一室で話し込んでいたそうです。日本製のギターが欲しくていろいろ打ち合わせされたということです。

 

 

 

 

 


本人いわく、その時の生写真だそうな。

サウンドハウス  ← こちらはサウンドハウスさん。マイクやケーブルなどの購入でお世話になっております。

 

STRATOCASTER(ストラトキャスター)らしいイイ音

DIRE STRAITS:COMMUNIQUE
LADY WRITER

ストラトのいい音とマークノップラーのボブディラン的哀愁のある歌い方を聴いて欲しいのです。イントロからばっちりいい音でキマってます。
要所でALL ALONE THE WATCHTOWERと反対のコード進行が感じ取られるところも面白い。 本当にいい曲で当時ヒットしていたかもしれません。ストラトは本当にいい音がするので、ギタリストを目指す方は手本にして欲しい。

ライブ映像ですが『おいしい聴き方』編で視聴することが出来ます。

 

ハフトーンとは:

STRATOCASTERの3つのピックアップはレバーで切り換えるシンプルな構造になっているのですが、レバー中間位置で偶然隣りの接点同士が接触し、2つのピックアップの音が混じって出力されるのです。この時の音はふ抜けな音になるのですが、これがとんでもない『枯れた』いい音で発見した人が積極的にこの音を使いました。それで70年後半ぐらいでしょうか、FENDER社はこのスイッチを中間ポジションでカッチリ止まるよう設計変更しました。

私は中間ポジションのスイッチがまだ存在しない1975年に中央のトーンコントロールを外してロータリースイッチに換え、ピックアップをA、B、CとすればA+B、B+C、A+C、A+B+Cの全組み合わせをツマミをカチカチと回せば出せるよう配線をぐちゃぐちゃに改造しました。当時はものすごくかしこかったのです(今は??ですが)。

なかなか面白い音が出て、同じものを作ってくれと頼まれたこともあります。スイッチは当時秋葉原の東京ラジオデパート地下の部品屋さんで入手しました。古い話しなのでお店はもうないと思います(?)ちなみにトーンコントロールはマスタートーン1基のみで十分でした(ストラトはトーンコントロールを2基にする意味はあまりないのです)。ロータリースイッチゆえストラトの外見が全く変わらないのがいいですね。現在友人宅にこのストラトはありますが、スパゲティがからんだような配線状態をお見せすることは出来ます。

 


とりあえず百聞は一見にしかずということで、その音を聞いてみよう。ご本人たちなので英語でしゃべっていますが生の意見や経歴が分ります。

 

テレキャスターらしい音

ROY BUCHANAN:LIVE STOCK( ロイブキャナン)
当時アメリカの寺内タケシさんだよ、と言う人もいましたがそんなことはありません。

ブルースとカントリー色が強いこの人のアルバムは、ほのぼのとした曲やしっとり聴かせてくれる曲もあるのでなかなか貴重な存在です。

ライブアルバムは1曲目からテレキャスターらしい音が楽しめますが、音楽性のよさ収録状態のよさ、そしてベースとドラムのノリのよさに感激すると思います。特に2曲目のインスツルメントはギターワークに酔った後、ベースを中心に聴く、ドラムを中心に聴くといった1粒で何度もおししい楽しみ方ができます。

『おいしい聴き方』編でこの人のSWEET DREAMSという曲が視聴できます。いい曲ですよ、ただアナログレコード時代は聴く方に集中し良い音のするオーディオで目を閉じて想像力豊かにハマったものですがホームページは見ちゃうのでダメなんです。

 

ちょっと息が切れました。このページは中途半端になっていますが、今後少しずつ紹介していければと思います。

しょうがないのでとりあえず近くにある機材の写真だけでも載せます(既に引退しているので飾りです)。一方的な知識で自分のペースになっていますが、メーカー様や関連サイトでもいろいろご確認いただければ幸いです。

 

 

 

 

 

ちょっと番外編

写真はGIBSONのMELODY MAKERです。20才ぐらいのときに入手して約20年間手元にありました(現在は先輩が持っているはずです)。

当時しばらくガロの日高さんに貸していましたが半年ぐらいかな?で戻ってきました。日高さんは既に亡くなっています。

ガロというバンドは70年代に『学生街の喫茶店』という曲でヒットしています。40代を超える方であればご存知かと思います。

 

彼は人気絶頂の頃、ギターの話をしたいがためラジオ放送終了後、文化放送の裏口にタクシーを待たせ渋谷までのわずかな時間に思いっきりギターの話をしていました。本当にギターの好きな人でした。表で待っていたファンの方には今さらですがごめんなさい。話はそれますがガロが解散してから、「新しいバンドを弟と組んだので見に来てくれ」ということで荻窪のロフトまで出かけました。フリーというかバッドカンパニーというかそんな感じのバンドでした。彼は黒のレスポールを使っていましたが、そういったことをやりたかったのかなぁと思いました。

MELODY MAKERの話に戻りますが、このギターはピックアップがシングルコイルで出力が低く、低音も弱めのカラリとした音でした。パワーのあるアンプではハウリングが起きやすかったのでリードをとるよりコードワークでサイドをとるには『鳴り』のいいギターでした。

周辺にある雑誌やカルタ類は関係ありません(当時の写真はこれしかないのです)。隠密剣士のカルタやグリコのキャラメルで当選した鉄人28号のワッペン類は今も手元にあります。家には鉄腕アトムの野球盤もあるのです、話がまたそれました。


HAMMOND ORGANS


なんと知人宅に古いHAMMONDがあるのです。現物を見たわけでもないので型番までは分かりませんが、デジカメで写真を送ってもらいました(2010.4月)。Leslie(レスリー)という回転スピーカーは70年代に成毛滋さんがステージでよく愛用していました。記憶があいまいなのですが、彼はケースを外してスピーカーのローターをむき出しにしていたような気がします。客席からホーン状のスピーカーが回っていたのがよく見えました。

 

To Be Continued ...... アンプまでなんとか行き着きたいなぁ、、、

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